役立つ知識8 台車の転倒について
台車の転倒について
台車を使用していますと知らず知らずのうちに積み方や運用が乱雑になる場合があります。
問題が起こらなければいいですが、実際悪いタイミングで事故につながっているのも事実です。
特に駅構内や路上などで台車を運用される際は予期せぬトラブルが起きる可能性があります。
様々な方が業務で台車に携われる際は、知らない方、気にされない方も多いため転倒に関して特に注意が必要です。
まずは台車の安定度を考慮する諸条件を検討します。安全に使用できるか確認します。
下記の件は台車選定時に必ず考慮してください。
積荷に合わない台車を選ぶと、台車本体の耐久性が低くなったり、荷に損傷を与えたりします。
- ・積載物の大きさと重心高さ
- ・積替え作業の最小単位重量と大きさ
- ・路面の粗悪度及び障害物の有無
- ・路面の傾斜
台車のトレッドとホイールベース寸法を考え安定化させる
ホイールベースとは軸間距離:B で、トレッドとは車間距離:A を意味します。安定性のためホイールベースはトレッドより長くします。
図でご覧いただくと、重心Gを持つ荷物を積載した場合、角度Cが転覆の可能性を示す角度となり、大きいほど安定します。また重心G1を持つ荷物を積載した場合、角度Cは小さくなり、台車の安定性に欠けます。
このことから、積載物の大きさと重心の高さを考え、トレッドとホイールベース寸法を検討する必要があります。
※考え方のご案内となります。詳細数値は社内技術情報となりますので開示しておりません。
積載時の安定性も考慮にいれる
積載時には必ず衝撃がともなうので、積載時の安定性を考慮しないと思わぬ事故(台車の転覆、積荷の破損など)になる可能性があります。
台車の荷重の重心は中央となるため(最大荷重も中央を起点として記載している)、台車先端に積荷を載せた場合シーソー状態になり転覆の可能性があるので注意が必要です。積載物の最小単位重量と大きさを考慮して下さい。
ポイント!
・荷物は先端に載せない、中央に載せる。
・高く積まない、ハンドル高さを超えないようにする。
傾斜路における安定性
傾斜路では当然ながら傾斜がきつくなればなるほど安定のバランスは崩れてゆきます。
また積載物の高さが高いとバランスの崩れが大きくなります。
台車の場合、傾斜での停車は基本NGです。ただ実際の業務ではそればかりではありません。
傾斜地での運用が前提の場合はストッパー付き台車が必須とお考えください。